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マルチプレックスパターンの表記と生成(3)

●パターンの分解と合成

 今回は、マルチプレックスを含むパターンを「ジャグリング可能な2つの数列を合成したもの」と捉え、この考えに基づいてパターンを生成する方法を紹介します。この方法を使うことができれば、試行錯誤によらずになかば自動的にマルチプレックスを含むパターンを作ることができます。
 まずは、このシリーズで何度もとりあげてきた[53]121から考えてみましょう。このパターンは、以下のように考えることができます。
  [53]121=5120+3001
つまり、[53]121は5120と3001を組み合わせたパターンと理解することができます。この5120と3001のいずれもジャグリング可能な数列であることを確認してください。
 このように、マルチプレックスを含む数列を「ジャグリング可能な2つの数列を合成したもの」と分析的に捉えるなら、反対に、「ジャグリング可能な2つの数列を合成することによってマルチプレックスを含むパターンを生成する」という総合的な考え方も可能になります。実際、このように理解すると、パターンを用意に作ることができます。

●合成できるパターンの条件

 それでは、その具体的な生成法を考えてみましょう。とりあえずは、マルチプレックスということにとらわれず、どのようなパターンであれば合成できるかを理解することが必要です。
 前回説明したように、マルチプレックスを含む数列が実現可能なものであるには、2を含んでいることが必要でした。2はボールを手中に保持しているだけなので、そこに他のボールが落下してきてもキャッチすることが可能なのでした。ですから、2を含むパターン、たとえば423や522は、合成の候補となります。
 同様に、0はボールを保持していないので、そこにボールが落ちてきても問題なくキャッチできます。すると、0を含むパターン、たとえば300や504なども合成の候補となります。
 このように、数列の合成は、2もしくは0を含む数列を2つ用意することによってなされます

●合成の方法

 たとえば、423と300を合成することを考えてみましょう。はじめに、この2つのパターンにおいて、ボールがそれぞれどのタイミングで落下するかを把握しておきます。まず423ですが、4は4拍後の2のところに、3は3拍後の3のところに落下します。2は次に4で投げられますが、保持したままなので考慮する必要がありません。したがって、このパターンでは2と3の拍でボールが落下してくることになるわけですが、これがわかるように、2と3に「'」をつけておきます。つまり、42'3'と書いておきます。同様に、300は、落下するボールとしては3だけを考えればよいので、その落下位置である3を3'として、3'00と書いておきます。42'3'は2拍目と3拍目、3'00は1拍目にボールが落下してくるので、これらのボールの落下位置が重ならないように重ねあわせます。この2つはこのまま合成することができます。すなわち、
  42'3'+3'00=[43']2'3'
というように、[43]23というパターンを生成することができます。
 もう一例、522と300を合成してみましょう。522の落下位置は522'、300の落下位置は3'00となりますので、
  522'+3'00=[53']22'
  522'+03'0=5[3'2]2'
というように、522と300からは2種類のパターンを生成できます。これらはまだ落下位置に余裕があるので、たとえばさらに2'01を組み合わせて、
  [53']22'+12'0=[53'1][22']2'
  5[3'2]2'+2'01=[52'][3'2][2'1]
といったパターンを生成することができます(もっとも、下のパターンはボールを両手に1つずつ余計にもったまま531をやっているだけですが)。

●網羅的な合成

 パターンの合成方法の説明は、以上です。実際にパターンを作るさいには、「これとこれを組み合わせると面白いのではないか」と直感的に合成するのも手ですが、あらかじめ2や0を含むパターンを網羅しておき、それらのすべての組み合わせを試していくほうがよいと思います。それほど手間のかかることではありません。
 今回は、周期3、ボール数1~3のパターンに限ってみましょう。この条件に当てはまる数列をすべて網羅しても、
  1ボール:300, 201
  2ボール:600, 501, 420, 330, 312
  3ボール:900, 801, 720, 630, 612, 603, 522, 504, 423
と16種類しかありません。ただ、さすがに16×16の表を書くこともできないので、ここでは、3ボールのパターンと300および420を合成したものの一覧を作っておきます。マルチプレックスにならないものも含まれていますが、すべて書くことにします。
300420
900930, 903[94]20, 942
801831[84]21
720[73]20, 723[72]24, 7[42]2
6306336[43]3
6126[31]2[64][21]2
603633[64]23
522[53]22, 5[32]2[54][22]2, [52]2[42]
504534[54]24
423[43]23[43][42]2

 以上で、マルチプレックスパターンの表記と生成シリーズは終わりです。パターンを生成するための小技など、もっと細かいこともいろいろあるのですが、とりあえずここまでで述べたことを理解し、利用していけば、マルチプレックスに限らず、ジャグリングのパターン一般に対する理解もおのずと進んでいくと思います。数列によるパターンの生成や表記は、できたからといってジャグリングがうまくなるというわけではありませんが、できれば練習の幅が広がり、ジャグリングの楽しみが増すと思います。覚えておいて損はありませんので、暇があれば数字をいろいろいじってみてはいかがでしょうか。

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マルチプレックスパターンの表記と生成(2)

 前回は、マルチプレックスを含む数列の読み方を説明しました。今回は、マルチプレックスを含む数列がジャグリング可能かどうかの判定法を説明し、またマルチプレックスを含むパターンの基本的な生成方法を紹介します。

●ジャグリング可能か否かの判定

 通常の数列でも、ジャグリング可能なものと不可能なものがありました。たとえば534はジャグリング可能ですが、533や543はふつうはジャグリング不可能とされます。
 これらがジャグリング不可能とされる理由は、533のようなパターンなら「数字の合計÷周期(=ボールの個数)が整数になっていないから」、543は「複数のボールが同時に落ちてくるから」と説明されることが多いようです(実際ぼくもふつうはそのように説明します)。ただ、マルチプレックスのことを考えると、ジャグリング可能/不可能の判断基準はもう少し根本的なものを用いるほうがよいです。ジャグリング可能かどうかの判断基準とは、「投げるべきボールを手中に確保できること」です。
 具体的に説明します。まず534から。上段に534を、下段にそれぞれの数字で投げたボールが落下してくる位置を記します。たとえば最初の5で投げたボールは、次には2周期目の4で投げられ、その次には4周期目の5で投げられ…となります。

...534534534534...
...435435435435...

この表からわかる通り、このパターンではすべての拍でボールを1つずつ投げる必要があり、かつすべての拍にボールが1つずつ落ちてきています。したがって、この数列は特定の個数(4つ)のボールだけで投げつづけることができます。
 それでは、533はどうでしょうか。ここからは、1周期分だけ書くことにします。何も落ちてこないところには、便宜的に0を書きました。

533
03[53]

これを見ると、投げるべき5のところにボールが落ちてきていないことがわかります。したがって、この数列は投げつづけることが不可能です(ただし、たとえば同時に落下する5と3は一方だけをキャッチし、5は床に落ちているボールを拾って投げるなどすれば、533に「見える」パターンをおこなうことはできます。もっとも、このパターンも、ドロップを高いスローと考えれば、たとえば933や537などとみなすことができます。リズムが一定であれば、あらゆるボールの移動は、いわゆる「ジャグリング可能」な数列で表すことができます)。
 さて、それではマルチプレックスを含む数列に移りましょう。例として、前回同様[53]121をとりあげます。ボールの落下タイミングは、以下のようになります。

[53]121
[21]513

これは、ボールを投げるべきすべてのところにボールが落下しています。したがって、このパターンは投げつづけることができます。
 それでは、投げつづけることができないパターンがどのようなものかを見てみましょう。上記の数列を少し変形して、5[31]21という数列を作ってみましょう。このパターンでのボールの落下位置は、以下のようになります。

5[31]21
[321]510

このパターンでは、1のところにボールが落ちてきません。さらに[31]のところで投げられるボールが1つしかありません。これでは、[31]も投げることはできません。当たり前のことではありますが、マルチプレックスをおこなう拍には、その拍で投げる個数のボールを保持できていなければならないわけです。これを理解しておけば、マルチプレックスを含む数列がジャグリング可能かどうかを判断できます。

●原理的には可能でも実現困難なパターン

 ただし、上記の条件を満たして原理的にはジャグリング可能でも、実際には難度が非常に高くてほとんど実現不可能なパターンもあります。次の数列を考えてみてください。

[43]445
[54]443

このパターンはジャグリング可能です。しかし、[43]を実現するには、同時に落ちてくる5と4の両方を片手でキャッチしなければいけません。これは至難の技です。こういったパターンは、理論的には可能でも、実際におこなうことは不可能に近いです。
 このように、理論的には可能であっても実際には実現困難なパターンも存在します。実現可能なものとそうでないものとの違いは、どこにあるのでしょうか。それは、「直前に2を含んでいるかどうか」で決まります。
 たとえば[53]121なら、マルチプレックスの[53]をおこなう2つのボールのうち、1つは(後ろの)1によって手中に入りますが、もう1つは2によってボールを手に保持したままの状態になっています。ボールを手にもったままであれば、2つ目のボールをキャッチすることはたいして難しくはありません。このように、マルチプレックスをおこなう拍のボールのうち、1つを除いたすべてが2によって保持されていればよいのです。

●判定法の具体例

 それでは、具体的に数列が実現可能かどうかを確認するプロセスを追っていきましょう。今回は、[54]24を例としてあげます。
 1.数列を書きます。1周期だけでよいです。

[54]24
   

 2.それぞれのボールがどこに落下してくるかを確認します。先頭から順番にいきますと、5は2つ目の4のところに落ちてきます(右端まで行ったら左端に戻ります)。

[54]24
5

 3.マルチプレックスの4は2のところに落ちます。

[54]24
45

 4.同様に、残りの2と4は以下のようになります。

[54]24
[42}45

 5.まず、マルチプレックスの拍に2つ必要ですが、それがきちんと確保されていますし、それ以外の拍にも1つずつボールが落下しているので、このパターンはジャグリング可能であると分かります。また、下段に[42]とあることから、マルチプレックススローは、4と2により手中に入ったボールでおこなうことが分かります。つまり、2つのボールが同時に落下してくることもありません。
 このように、マルチプレックスを含むパターンも、通常の数列がジャグリング可能かどうかを判定するのとほぼ同様の仕方で対処できます。

●マルチプレックスを含むパターンの生成

 ここまでの知識で、マルチプレックスを含むパターンのもっとも基本的な生成方法が理解できます。その方法は、通常のサイトスワップ生成法となんら変わるところはありません。その方法を、具体的にパターンを作りつつ紹介しましょう。
 1.周期を決定し、周期分の枠を上下二段作っておきます。今回は、周期6のパターンを作ることにします。

000000
000000

 2.マルチプレックスをおこなう拍を決めます。今回は、1拍目と4拍目にそれぞれ2個のマルチプレックスを入れることにします。

[00]00[00]00
[00]00[00]00

 3.マルチプレックスの2つ前の拍に、あらかじめ2を入れておきます。落下位置も同時に埋めます。

[00]20[00]20
[20]00[20]00

 4.あとは、通常のパターンを作るときと同様、落下位置が重ならないよう注意しつつ、空いたところに数字を埋めていきます

[54]21[43]23
[32]43[21]45

これで、マルチプレックスを含むパターンができあがりました。一応確認しておくと、この[54]21[43]23というパターンは、
  数字の合計=5+4+2+1+4+3+2+3=24
  周期=6
  ボールの個数=数字の合計÷周期=24÷6=4
のパターンです。
 ここまでのことができれば、マルチプレックスのパターンを表記し、生成するうえで、困ることはないと思います。

 次回は、2つのパターンを合成することによってマルチプレックスのパターンを生成する方法を紹介することにします。

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マルチプレックスパターンの表記と生成(1)

●マルチプレックスとは

 ひとつの手から複数のボールを同時に投げることを、マルチプレックス(スロー)と呼びます。ふつう、同じ個数を投げるとしても、マルチプレックスを用いるパターンのほうが、用いないパターンに比べてずっと難度が低くなります。たとえば、6ボールマルチカスケードを考えてみてください。これは、6個のボールを2個ずつの3組に分け、その3組がそれぞれ1つのボールであるかのように、3ボールカスケードの要領で投げるパターンです。このパターンはマルチプレックスの基本的な投げ方・取り方さえ習得していればすぐにできるようになるもので、6ボールファウンテンやハーフシャワーと比べるとはるかに容易です。
 マルチプレックスを含むパターンは、この容易さのために、あまり高くは評価されてきませんでした。しかし最近では、ウェスをはじめとする流行の先端をいくジャグラーたちがマルチプレックスを多用する複雑なパターンを頻繁に用いており、マルチプレックスへの関心が以前よりもずっと高くなってきているようです。
 さて、こうしたマルチプレックスのパターンも数字で表記・生成することができます。一般的なサイトスワップパターンは(5ボールくらいまでは)理論的に可能なものはほぼすべて実現されてしまっている一方で、マルチプレックスパターンには実現可能でも手をつけられていないものがたくさん残っています。珍しいパターンを作りたいのであれば、マルチプレックスの数字表記はぜひ理解するべきです。今回は表記方法を説明し、それから後日、マルチプレックスを含むパターンの生成方法を紹介したいと思います。

 なお、はじめは分からないところがあっても飛ばして、とりあえず「●数列の解読」のところで具体的な考え方を確認すると、その他のところも分かりやすくなるかと思います。

●[ ]の意味

 マルチプレックスの表記といっても、とくに大きく変わることはありません。新しい記号を一種類導入するだけです。その記号とは、[ ] というカッコです。
 このカッコの意味は、「中に書いてある数字のスローを一方の手から同時におこなう」というものです。
 たとえば[54]とあれば、片手に2つもったボールをそれぞれ5と4の軌道に投げわけるということで、[543]とあれば、片手に3つもったボールをそれぞれ5、4、3の軌道に投げわけるということです。
 [52]とあれば、2つもったボールのうち1つだけを投げることになります。[22]なら、ボールを2つとも手中に保持したままになります。
 また、シンクロのパターンなら、[4x4]のようにxを用いることもあります。この場合も同様に、1つを4x、もう1つを4の軌道で投げます。

●周期とボールの個数

 それでは、具体的なパターンをとりあげてみましょう。[53]121というパターンを見てみます。まず、ボールの個数を考えてみましょう。一般に、
  数字の合計÷周期=ボールの個数
という等式が成り立つのでしたが、マルチプレックスを含んでもこの等式は成立します。このパターンでは、
  数字の合計=5+3+1+2+1=12
となります。
 それでは、周期はいくつでしょうか?答えは、4です。[ ]内の数字はすべて同時に投げるのですから、中にいくつの数字があっても、1拍分の長さしかありません。このパターンには5つの数字が含まれていますが、[53]は1拍と数えるので、周期は4になります。
 そこで、このパターンは、
  ボールの個数=12÷4=3
となります。

●数列の解読

 それでは、数字を順に追って、[53]121がどのようなパターンなのかイメージ・実践してみましょう。初期状態として、右手に2つ、左手に1つボールをもっているとします。
 [53]121 まず、右手から[53]を投げます。つまり、1つは5、もう1つは3の軌道に投げわけます。
 [53]121 ついで、空になった右手に、左手のボールを素速く投げわたします。
 [53]121 左手からわたされたボールは、右手で保持したまま投げません。
 [53]121 最初に投げた2つのうち低いほう(3)が左手に落ちてくるので、それを右手に素速く投げわたします。すると、右手はボールを2つもっていることになり、1.のステップに戻ることができます。
 ボールの動きがイメージできたでしょうか。これは、3ボールのマルチシャワーです。

 以上の知識で、マルチプレックスを含む表記を読み解くことと、マルチプレックスのパターンを見て数列で表すことができるはずです。通常のパターンに比べて複雑になりがちなので、はじめは1つのパターンを理解するのにも多くの時間をかけなければならないかもしれません。しかし、慣れてくるにつれて、考えるスピードがしだいに速くなってくるはずです。
 次回は、マルチプレックスを含む数列がジャグリング可能なものかどうか判定することを通じて、一歩進んだ理解を目指します。

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プロフィール

mascaret

Author:mascaret
福岡出身・東京&千葉&フランス経由、千葉在住のジャグラーです。

*経歴
JJF2014にて
 エンデュランス
  5ボールカスケード1位
  6ボールファウンテン1位
  7ボールカスケード1位
JJF2012にて
 チャンピオンシップ決勝進出(2年連続)
 エンデュランス
  5ボールカスケード1位
  6ボールファウンテン1位
  7ボールカスケード1位

*使用道具
ボール:RF Beanbag M (Rad Factor), Elite 8 M (Gballz) etc.
クラブ:PX3 SIRIUS TRAINING (Play)
リング:Absolute Circus Ring (Absolute Circus), Wind Stream Ring (Mr. Babache), SATURN (Play)

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