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関節

 体の動きはすなわち関節の動きですので、ジャグリングの練習をする上でも、うまくいかないときには、関節ごとに虱潰しに良し悪しを検討していくことが有効です。
 細かいことまで述べるといくら紙面があっても足りないので、ここではとくに注意すべきポイントにのみ絞って端的に説明するにとどめます。

○肩

 肩関節の使い方によって、肘の位置・動きが決まります。肘の位置は手の位置も大きく左右することになり、手の位置はパターンの横幅の大きさとなります。また、肘の位置によってボールを投げ上げるときの力のかけやすさも変わります。したがって、負荷が高いパターンになるに連れ、重要さが増す部位と言えます。
 ジャグリング中に肘の位置が大きく動くと、腕の一定の動きを再現すること(リプロダクション)が難しくなります。これを防ぐには、脇を締めることによって肘を脇腹の横に固定するのが一般的な方法です。ガットーもこれを推奨しています。
 ただし、ボールをある程度以上に高く投げる場合(5カスケード程度以上)は、肩関節もボールを投げ上げる動きに参加させなければいけないので、肘が多少前後に動くのは仕方がありません。これを固定しようとすると、無理のある投げ方になってしまいます。ただし、肘が左右に動くのは問題です。リカバリーなどで脇を開いても、すぐに肘を元の位置に戻すことが大事です。
 僧帽筋の働きで、肩関節自体の位置も変えられます。前後および上下に動きますが、基本的には、両者とも、体に負担のない自然な位置にしておけばよいです。
 たまに肩をすくめるように高くしてボールを投げている人がいますが、これは見栄えが良くないので矯正できるなら矯正したほうがよいと思います。
 腕の付け根が体の前後どちらに寄っているかは個人差があるようですが、ぼくは前寄りで、したがって肩を自然な位置より多少後退させたほうが肩幅が広くなるため、多くのボールを扱う場合など、左右に幅のあるパターンを行うときには意識的に肩の位置を調節することがあります。ただ、この効果はそれほど自覚できているわけではありません。

○肘

 肘関節の動きによって、手の位置・動きが決まります。ジャグリングにおいては、とくに3・4ボールなどあまり高く投げないパターンの場合は、最も重要な部位と言えます。
 まず、上腕と下腕の角度を取り上げましょう。諸説ありますが、ぼくは、上腕と下腕との角度はできれば90度、最大でも100度程度までしか開かないようにするのがよいと考えています。このメリットとしては、たとえば、手の位置を高く保つことができるためキャッチがしやすくなることが挙げられます。肘関節を伸ばしてしまうと、手の位置と顔の位置が遠くなってしまうので、ボールの動きと手の動きとを関連付けることが難しくなり、キャッチの精度が下がってしまいます。
 また、手の位置を意識しやすいため、スローのコントロールも、肘を伸ばす場合よりは楽になります。
 逆に、この角度を大きくすることのメリットとしては、ボールの加速距離を長く取ることができるため、高く投げやすくなり、あまり体に負担をかけずにボールを投げられることが挙げられます。しかし、メリットとデメリットとを比べると、やはり上腕と下腕との角度は小さくするべきだと思います。肘を開くのは、高く投げる必要があるときだけにすればよいです。

○手

 本来は手首と指に、あるいはそれ以上に細かく分析するべきなのでしょうが、あまり複雑になりすぎるのは困るため、それ以上に自分自身それほど細かい分析ができてはいないため、大雑把に述べるに留めさせてもらいます。
 まず手首をどの程度スローに参加させるかについて。ぼく自身は普通のスローで手首を使っているとはとくに思わないのですが、たとえば94444のような、低いスローと高いスローが混在しているパターンでは、高いスローで瞬間的に大きな加速度を得るために使うことはあります。
 基本的には、手首の使い方に関してはそれほど神経質になる必要はないと思います。ただし、ボールに比べてクラブが妙に下手なジャグラーがたまにいますが(自分のことですが)、これはクラブでは手首の使い方がボールに比べて重要になるからではないかと疑っています。ボールもクラブもどちらもできるジャグラーになりたい場合は、早いうちからクラブもしっかり練習して、クラブでの手首の使い方を身につけるのがよいと思います。
 指の動きは、ボールをキャッチするときと、スローでボールを離す瞬間にとくに重要です。あまり力を抜きすぎるとキャッチミスに繋がってしまいますが、力を入れすぎるとスローの瞬間にボールが指に変なふうに引っかかってしまい、また腕の動きもぎこちなくなってしまいます。理想的にはキャッチの瞬間だけ力を強めに発揮し、あとはボールをこぼさない程度に軟らかく掴んでおくのがよいのでしょう。
 ただし、ボールの種類によってかなり違いがでます。ビーンバッグのような柔らかいボールやロシアンボールではあまり力を入れなくても容易にキャッチできますが、ステージボールのような硬いものだとやや強く握らなくてはいけません。
 指の使い方を上達させるには、色々なボールを使ってみるのがよいと思います。色々なボールで練習することで、自分が一番使いやすいボールに関してもキャッチ・スロー力を高めることができます。

○首

 あまり意識されにくいかもしれませんが、首も案外重要です。
 まず、技術的な面について。首の角度によって視線の自然な向きも変わってきます。ですから、パターンの高さによってどの程度上/下を見るかを調節することが必要です。
 ただし、動画を観察する限りでは、ガットーは軌道の高さにはあまり関係なく、顔をかなり上の方に向けているようです。これはバランスやヘッドバウンスをやりやすくするためでもあるでしょうが、そもそも手元を見るようなパターンをやらないからかもしれません。
 それから、持久力の面について。当然ですが、上を向いていると首が疲れます。普通はせいぜい1~2分くらい連続で投げ続ければ、回収するかあるいはドロップするので問題ありません。しかし、エンデュランス種目で長時間投げ続けなければならない場合は、事情は変わります。実際、個人的には5カスケードエンデュランスで一番疲れるのは、以前は首でした。人にもよるでしょうが、エンデュランスに取り組みたいなら、顔をあまり上に向けない状態でジャグリングすることが重要かもしれません。

○背

 背筋をどのように保つかということは、技術的にも見栄えの面でも大事です。
 まず、背筋の状態によって顔とボールとの距離が変わります。原則的には、顔の位置とボールの位置を近くすることが、キャッチの成功率を高めることにつながります
 たまに上体を後ろに反ってボールを投げている人がいますが、こうするとボールと顔との距離が大きくなってしまうので、望ましくありません。見栄えもよいとは言えません。確かにボールを投げ上げやすくはなるかもしれませんが、このメリットを考慮しても、やはり上体を後ろに反るのは勧められません。
 普通の投げ方をするのなら、上体は真っ直ぐ伸ばすか、あるいはやや前に傾けるくらいがよいです。見栄えを言うなら、真っ直ぐ伸ばすほうが望ましいでしょう。また、まっすぐ伸ばしたほうがピルエットを自然に行いやすいというメリットもあります。ただ、単純にボールの位置の把握精度を高めたいなら、上体は前に傾けたほうがよいと言えます。ぼく自身は、やや前に傾けていることが多いです。

○股・膝・足

 脚の使い方は、ジャグリングにとっては副次的かもしれませんが、ハイアップのような負担のかかる投げ方をするときには、あるいは見栄えを気にするときには、よく検討すべき要素です。
 普通の投げ方をする場合でも、下半身が安定しているかどうかでボールの投げやすさは随分変わります。これは、ためしに片足立ちでジャグリングをやってもらえば実感できます。両足の幅がどのくらいとか、それほど細かいことを気にする必要はありませんが、踏ん張ることができて、しかも移動もしやすいよう、あまり変な姿勢は取らないようにします。
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プロフィール

mascaret

Author:mascaret
福岡出身・東京&千葉&フランス経由、千葉在住のジャグラーです。

*経歴
JJF2014にて
 エンデュランス
  5ボールカスケード1位
  6ボールファウンテン1位
  7ボールカスケード1位
JJF2012にて
 チャンピオンシップ決勝進出(2年連続)
 エンデュランス
  5ボールカスケード1位
  6ボールファウンテン1位
  7ボールカスケード1位

*使用道具
ボール:RF Beanbag M (Rad Factor), Elite 8 M (Gballz) etc.
クラブ:PX3 SIRIUS TRAINING (Play)
リング:Absolute Circus Ring (Absolute Circus), Wind Stream Ring (Mr. Babache), SATURN (Play)

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