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5:オーバーヘッドカスケード

★要点

・肘の位置は、肩の真横~やや上前方。
・人差指と親指でボールを支える。
・通常のカスケードから移行する際もリズムは一定に。
・しっかり軌道を交差させる。

●動画



アノテーションで解説を付しています。

1.通常のカスケードからの移行。
2.横から。
3.しゃがんでの移行。
4.直接スタート。

●練習方法

○腕の位置

 主要なフォームは2種類あります。1つは肘を肩の左右におくやり方で、もう1つは肘を方の正面におくやり方です。オーバーヘッドを得意とするジャグラーは前者を採用していることが多く、ぼく自身も前者なので、ここでは肘を左右に広げるやり方を説明します。
 動画の1パート(正面から)、2パート(横から)を参照しつつお読みください。
 まずは肘の位置から。上下軸では肩と同じか肩よりやや上の高さにおきます。高くしすぎると手の左右幅を広くとることが難しくなり、そのため軌道が狭くなって、衝突の危険が大きくなります。
 前後軸では、肩と同じか肩よりやや前におきます。手の左右幅を広げるという観点からは肩の真横におくのがよいのでしょうが、上腕をどれだけ後ろに引けるかは個人差が大きいので、あまり引けない場合は無理をせず肩より前に出します。
 手の位置は、顔の前です。頭の上で投げると姿勢が苦しく、またボールの位置把握も難しくなってしまうので、オーバーヘッドと言いつつ実際には顔の前で投げます。
 手首の向きは、親指と人差指で輪をつくったとき、その輪が地面と水平になるようにします。したがって、手のひらはほぼ正面を向くことになります。ボールは親指と人差指に乗せるような形になります。手のひらを上に向ける必要はありません。

○カスケードからの移行

 オーバーヘッドのスタートとして一般的なのは、通常のカスケードから移行するものです。この両者は軌道の高さが異なるので、移行時にボールを3つ高く投げるのがふつうです。
 具体的に説明していきます。まず、123と、3投を高く投げます。通常のカスケードの手の高さとオーバーヘッドの手の高さの差の分だけ高く投げることが目安になります。そうすることができれば、スローのリズムを一定にしたままオーバーヘッドに入ることができます。
 次の4からオーバーヘッドを始めます。リズムを一定にしたいので、3投高く投げたからといって待つのでなく、同じリズムで4投目のオーバーヘッドを投げなければいけません
 このとき、最初に高く投げたボールを無理のないタイミングでキャッチできているかどうか、まず確認します。これができていないようなら、オーバーヘッドの練習をはじめる前に、移行の3投を、望ましい高さが分かるまで繰り返し練習したほうがよいです。通常のカスケードのリズムを維持できていないままにつづけようとしても、オーバーヘッドの理想的な投げ方を見つけることにはつながりにくいからです。
 また、カスケードから移行するにしても、動画の3パート目のように、高く投げる代わりに、しゃがむことでボールの位置を相対的に高くする方法もあります。この方法は、姿勢を維持するのが大変ですが、ボールを高く投げなくてもよいのでその点では楽です。

○直接スタート

 通常のカスケードを介さず、1投目からオーバーヘッドを投げることもできます。スタート時の負荷がやや高く、カスケードからの移行よりは難しいです。
 しかし、このやり方は、通常のカスケードと同様の、少しずつ回数を伸ばしていく練習方法を用いることができるので、技術向上のためには有効です。
 まずは2投から始めて、きちんとコントロールできていると思ったら、1投ずつ増やしていきましょう。とくに最初の5投がかなり難しいので、時間をかけて入念に繰り返します。

○スローとキャッチ

 ボールをスロー/キャッチする位置は、通常のカスケードからそのまま高くした位置を目安にします。具体的にどの位置がよいかは体格などによって個人差が大きいと思われますので、動画の位置を基準にしつつ、微調整してみてください。
 軌道は、もちろん体の左右と平行な平面上に収めることが望ましいです。ただし、ボールがその面より前方に落ちてくるとキャッチからスローまでの腕の動きが難しくなってしまうので、そのような事態にならないよう、あえてやや後ろに向けて投げるのもよいかもしれません。
 一番起こりがちなミスは、軌道の横幅が狭くなってボール通しが衝突してしまうことだと思いますが、そうならないためにも、軌道がきちんと交差するように意識しながら投げることが大事です。

●視線と意識

 通常のカスケードより軌道が高いので、それに合わせて視線も高くします。やはり、軌道の交点と頂点のあいだのいずれかの方向を見るのがよいです。
 意識も、通常のカスケードと同じで、特定の部位だけに注目するのでなく、全体を捉えるようにしますが、とくに落下位置の把握をきちんと行うことが大事です。
 また、カスケードから移行する場合は、最初に高めに投げたボールをドロップしやすいので、とくに注意が必要です。
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5:カスケード、リバースカスケード、ハーフシャワー、テニス

★要点

・上腕は体側面に沿わせて、肘はできるだけ動かさない。
・スロー時の手の位置は、肘よりも内側に。スローのたびに手をこの位置に確実にもってくること。
・手は肘の高さより下には下ろさない。
・まずはリズムと軌道の高さを身につける。リズムを固定して正しい軌道の高さを探し、反対に軌道の高さを固定して正しいリズムを探す。
・キャッチからスローまでの時間、つまりボールを握っている時間をできるだけ短くする。

●動画


1.ふつうに5カスケード
2.55500(0:41)
3.高い3カスケード。ボールの保持時間を短く(1:09))
4.50505(1:35)
5.53(2:00)
6.552(2:23)
7.55550(2:40)
8.ハイアップ→4つキャッチ→5カスケード(3:08)
9.高い5カスケード/低い5カスケード(3:43)
10.回転(4:19)
11.上下移動(4:47)


ジャグラー視点。

●導入

 一昔前は5ボールができればプロとしてやっていけるなど言われていたものですが、それも今や、ジャグリング歴がそこそこあれば大部分の人がある程度はできてしまう、教養レベルの技になりました。それでも5カスケードの習得に時間がかかるのも事実で、初めはボールをやっていたけれども、5個ができるようにならないから他の道具に移った、といった話はよく耳にします。トスジャグラーとしてやっていけるか否かの試金石となる技ですから、根気強く努力を続けましょう。

 最高キャッチ数が伸び悩む主な壁は、30キャッチ、100キャッチ、500キャッチ、3000キャッチあたりにありそうです。最初の30キャッチの壁は、軌道の高さにさえ気をつければ超えられるはずです。100キャッチは、続けられる軌道を身につけられるかどうかの分かれ目です。次の500キャッチは、続けられる軌道を覚えるだけでなく、その軌道から外れてしまっても修正できるだけの技術があれば達成できるはずです。3000キャッチを超えるには、そもそもその正しい軌道から外れることがめったにない、というようにならなければ難しいです。500まではでたらめなフォームでも何とか達成できるでしょうが、そのままでは3000はまぐれでも到達できないと思います。いくら挑戦しても達成できない場合は、ある程度できているだけにフォームの変更も難しくなってしまっているかもしれませんが、また一から投げ方を考え直す覚悟をしなければならないかもしれません。3000キャッチを超えることができれば、安定も時間の問題のはずです。

●フォームなど

身につけるべきことは非常に多いので、ここではとくに重要なことに絞って書きます。

○腕の基本位置

 上腕は体側面に沿わせてまっすぐ下ろし、肘は脇腹にあたるくらいの位置におきます。手は、肘よりやや高いくらいにし、両手の間隔は、手の平を上に向けて手を開いたときに、10cm程度になるくらいにします。これが基本位置=スローの瞬間の位置です。
 両手の幅は、上達すれば広げても問題ないのですが、狭いほうがスローのコントロールもキャッチも容易で、また疲労しにくいです。

○ジャグリング中の腕の動き

 まず、肘の位置はできるだけ動かさないようにして、肘関節の動きだけでボールを扱います。もちろん、肘関節を動かせば肘の位置自体も動くのが自然です。ボールを高く投げ上げる場合には、肘の位置も大きく動かさねばなりません。しかし、肘の位置を動かす場合は肩関節を肘関節の2つを大きく使うことになり、そうすると肘関節だけを使う場合に比べて動きが複雑になってしまいます。ですから、5カスケード程度の負荷であれば、多少窮屈に感じても、肘の位置はできるだけ固定したほうがよいです。
 スローするときは、手の位置は基本位置におきます。肘よりも内側から投げることが大事です。軌道が乱れてキャッチ位置が大きく外側にずれても、スローの瞬間にはなんとしても基本位置に戻ってこなければなりません。このように同じ位置から投げ続けることが、キャッチ数を増やすために不可欠です。
 手を上げる高さはボールの軌道の高さに依存するので一概には言えません。手の位置の下限は、肘の高さと同じくらいで、それより低くはならないようにします。これについては意見が分かれるようで、一般にはむしろ手をしっかり下げるほうが美しいフォームだとみなされているようですし、また手を低く下げるジャグラーにも非常に上手い人はいますが、手の位置は高いほうがキャッチをしやすいはずですし、ガットーも7ボールの教則ビデオで手は下げすぎないほうがよいと言っています。

○脱力すること

 腕をスムーズに動かし、疲労を溜めないためには、十分脱力することが大事です。力を入れたからといってそれに比例してボールの滞空時間が長くなるわけではなく、また必要以上に力をいれるとコントロールが難しくなってしまいます。ボールを投げるのではなく、空中に置くようなつもりで体を動かすようイメージするとよいかもしれません。
 なお、筋力がないから5カスケードができないと言う人をたまに見かけますが、そんなことはありません。30分や1時間ならともかく、300キャッチ程度なら、普段全く運動していない人でも、できないということはまず考えられません。確かに、筋力はあるに越したことはありませんが、筋力がないから5カスケードができないのではないかと心配するのは、全くの杞憂です。

●練習方法

○形ができるまで(練習始め~最高100キャッチくらいまで)

 基礎を固めるのが大事だからと3ボールフラッシュや3ボールチェイスの練習ばかりしている人をたまに見かけますが、これはあまり薦められません。5カスケードがほとんどできていない状態では、これらの技を練習しても、5ボールが続くリズムと軌道を見つけることにはつながりにくいです。フラッシュやチェイスは5カスケードとは違うリズムでもつづけることができるから、これらができるようになったとしても、5カスケードのリズムを体得できてはいないかもしれないのです。
 これらの技はむしろ、5カスケードがすでにある程度続く人が、安定感を増すための練習として導入してはじめて効果を発揮するものなのです。こういうわけですので、練習を始めたばかりの人は、最高キャッチ数が20~30くらいになるまでは、ひたすら5カスケード自体の練習をするのがよいと思います。
 5カスケードでは負荷が高すぎるように感じられるなら、3ボールのパターンよりは、5カスケードのリズムに近い4ボールの53や552、55550などのほうがよいです。

 この段階で最も優先すべきなのは、5カスケードをつづけることのできるリズムと軌道の高さを理解することです。軌道の前後左右へのずれは、練習を重ねるにつれて次第になくなってくるはずですので、まだ心配する必要はありません。まずは5キャッチ~10キャッチ程度ですべてのボールを回収することを目指します。回収の成功率が高まってきたら、軌道の高さがそろっているかどうか、それから、ボールが落下してくるリズムが一定になっているかどうかを確認してください。
 高さとリズムを一定にするには、スローの段階でリズムを一定にすることが必要です。そのためには、思い切ってキャッチすることを諦めることも重要です。どういうことかというと、腕をできる限り一定のリズムで動かし、この腕の上下のリズムとあわないタイミングでボールが落ちてきたら、そのボールはキャッチせずにそのまま落としてしまいます。正しく投げることができれば、キャッチは容易なはずです。ジャグリングでは何よりも正確なスローが大事です。
 もちろん、腕を速く動かして崩れたリズムを立て直す技術は必須ですが、それを成功させるにはそもそも5カスケードを続けることのできるリズムを身につけていなければなりませんから、これを試みるのはもう少し上達してからです。それまでは、とにかく正しいリズムと高さを身につけることです。

 リズムと軌道の高さは表裏一体ですので、この両方を介して理想的な投げ方に近づけていきます。
 やりやすいリズムは、人によって多少違いはあるでしょうが、まずはここの動画やその他の動画、身近なジャグラーを観察するなどして、研究してみてください。続けることのできる人のリズムに合わせて腕を動かして、そのリズムに見合う軌道の高さを探します。メトロノームや、リズムだけを刻む音楽ファイルなどを用意すると効率が上がるかもしれません。
 反対に、高さからリズムを探すことも大事です。すべてのボールを、自分が無理なく投げることのできる高さに投げます。そうして、その高さに見合ったリズムを探します。壁の前に立って、目標の高さに何か目印をつけておくとやりやすいです。
 リズムと高さの両方を同時に調節しようとすると作業が非常に複雑になって上手くいきませんのが、以上のようにリズムか高さかのいずれかを固定し、もう一方の要素のみを変えるようにすれば、突破口を見つけやすくなると思います。困難は分割することが大事です。

 以下、この段階で5カスケードの練習に役立つと思われるパターンのいくつかを個別に紹介します。ただし、心に留めておいていただきたいのは、繰り返しになりますが、これらのパターンをいくら練習しても5カスケード自体はあまり向上しない可能性がある、ということです。こういったパターンの練習に割く時間はせいぜい3割程度に抑えて、のこり7割以上は5カスケード自体の練習に割くべきです。

・高い3カスケード(1:09)

 単に3カスケードを高く投げるのではあまり効果はありません。動画でやっているように、キャッチしたボールはすぐに投げ返します。両手ともボールを持っている瞬間があってはいけません。
 5カスケードは3カスケードに比べてリズムがかなり速いので、ボールをキャッチしてからスローするまでにあまり時間をかけることができません。ボールを手に持った状態でまごついてしまうと、すぐにも次のボールが落ちて来てしまい、その結果スローが不安定になり、そのためにキャッチも乱れ……という具合に悪循環に陥ってしまいます。あまり指摘されないポイントですが、多くのボールを扱うときには、ボールの保持時間をできるだけ短くするのはとても重要なことです。時間に余裕のある3カスケードであえて保持時間を短くすることで、キャッチからスローまでを素早く行なうための効率的な練習ができるのです。

・53(2:00)

 左右で軌道の高さを大きく変えねばならないので、慣れるまでは難しいですが、一方の手から連続で5を投げることができる点ですぐれています。右手のスローが高い投げ方と左手のスローが高い投げ方の両方をバランスよく練習しましょう。
 なお、53がやりやすいスロー位置と5カスケードがやりやすいスロー位置はやや異なるということには留意しておくべきです。

・552(2:23)

 自分が5カスケードの練習をしていたころによくやったパターンです。5カスケードと同じリズムで投げるには「右右左左右右左左……」ではなく「右左・左右・右左・左右……」のリズムで投げねばなりません。
 2で一拍休むたびに正しい5の軌道を一から作りなおさなければならないので、リズムの習得と同時にコントロールの向上にも大きな効果を期待できます。

・55550(2:40)

 5カスケードにかなり近いリズムでなければできないパターンで、そのうえ0のたびにリズムを作り直さねばなりませんから、リズムや軌道の高さを覚えるというこの段階の目的によく適っています。
 なお、以上3つのパターンを接続して投げることも、5の正しい軌道を身につけるのに大変有効です。

○できるレベルに到達するまで(~平均300キャッチくらいまで)

 最高キャッチ数が100を超えたなら、5カスケードを続けるための下地はできたと考えてよいと思います。この段階に到達したら、5カスケード自体を練習する時間を徐々に減らして、その分を他の5ボールのパターンの練習に充てていくべきです。ハーフシャワーやリバースカスケードのようなシンプルなものの他に、(6x,4)(4,6x)や744といった高難度のパターンにも積極的にチャレンジするとよいです。5カスケードに限らず、目標とするパターンよりも少し負荷の高いパターンを練習することで、目標のパターンが相対的に楽に感じられるようになってくるはずです。

 この段階で5カスケードの精度を高めるためのパターンをいくつかあげておきます。

・55500(0:41)
・50505(1:35)

 この2つは3ボールのパターンですが、5カスケードと同じリズムで行なうのはかえって難しいのでこの段階に含めました。高い3カスケードと同様に、キャッチからスローまでの時間をできるだけ短くすることが大事です。最初に落ちてくるボールに合わせて手をタイミングよく下げるよう心がけると、うまくいきやすいかもしれません。

・ハイアップ→4つ回収→5カスケード(3:43)

 5カスケードの正しい軌道を咄嗟に再現できなければならないので、スタートの練習にうってつけです。スタート時やスタート直後の安定感がないなら、試してみる価値は大いにあります。

・高い5カスケード/低い5カスケード(3:43)

 高い5カスケードは、膝を使ってもよいですが、スローの精度を高めたいなら腕だけで投げるようにするほうがよいです。ボールの保持時間を短くするとさらに効果的ですが、かなり難しいです。
 低く投げる場合は、肘の位置をできる限り固定し、手を回す範囲も小さくするのがポイントです。保持時間を短くするための大変よい練習になります。

・前後移動、左右移動、回転(4:19)、上下移動(4:47)

 ジャグリング中にさまざまに移動するのは、スローとキャッチの精度を高めるのに大変有効です。とくに回転は、左右の手の動かし方の違いを矯正するために有効なので、左右両回転とも練習することを強く薦めます。

○安定するまで

 平均キャッチ数が300を超えれば、もう5カスケードができると言ってもよいでしょう。ここからは、5カスケード自体の練習はウォーミングアップなどを除いてはもうせずに、より負荷の高いパターンを練習の中心に据えるべきです。とくに、6ボールや7ボールに挑戦することが大事です。
 最低でも1000キャッチはできる、というレベルに達したら、5カスケードについては上がりと考えてよいと思います。

●ミスの原因

 ミスの原因は無数に考えられますので、ここでは代表的なものにのみ絞って書きます。

 一番多いのが、軌道が低すぎることです。軌道が低いとリズムが速くなって投げが不安定になり、またボール同士の間隔が狭まるので衝突の危険も高まります。ボールを前方に投げてしまうのも、軌道の低さに起因していると思われます。始めはよい高さで投げられていても、気付かぬうちに途中から低くなっていってしまう人も多く、あるキャッチ数を超えると必ず不安定になってしまう場合は、ここに原因があるかもしれません。
 ごく少数ですが、軌道が高すぎる人もいます。高く投げる方が当然コントロールが難しいのですから、衝突を避けようと高く投げても、かえってぶつかりやすくなります。余裕をもって投げていてぶつかってしまう人は、その余裕を多少犠牲にしてでも、軌道を低くした方が続くかもしれません。

 また、肘が前に出すぎているために軌道が不安定になっている人もよくいます。肘が前に出るとどうしても肩関節の大きく使う投げ方になってしまい、すると、フォームについての項ですでに述べたようにコントロールが難しくなり、さらに、ボールの落下位置が体から遠くなるためにキャッチも難しくなります。
 上腕を体側面に沿わせて肘を動かさないことを、常に心がけてください。

●視線と意識

 視線は高い位置、軌道の頂点から軌道が交差する点の間に向けるのがよいでしょう。練習し始めたばかりのころは、高さが均一になっているかどうかを確認しやすくするために、特に頂点を見るのがよいかもしれません。
 軌道がシンプルなので、意識も視線と同じあたりに向ければよいですが、同じ高さでも上昇するボール(内側)と落下してくるボール(外側)があるのですから、どちらをより強く意識するかでやりやすさも変わってきます。ただ、外側のボールに左右両方とも同じように注意を向けるのは難しいので、たとえば左側の落下してくるボールを意識しながらの練習をしばらく続けて、次に右側、次に上昇するボールというように、順番にやっていけば、次第にあまり考えなくてもキャッチできるような意識の使い方を効率よく探せるかもしれません。
 できるレベルに到達するころには、特に注意せずぼんやり眺めるだけで、ボールの位置を正しく把握できるようになります。

●ヴァリエーション

○リバースカスケード



 ただ反対に回すだけなのですが、慣れないとなかなか難しいです。
 ミスの原因はほとんど、充分内側に投げられないか、逆に反対側に行き過ぎるかのどちらかです。初めのうちは、ボールの衝突やドロップは気にせず、手を常に同じ軌道で回し続けることに集中するとよいでしょう。とくに、両手の間隔が次第に狭くなって、ボールをしっかり内側へ投げることができなくなりがちなので、両手の幅をカスケードよりもやや広めにとるよう心がけるとよいかもしれません。

○ハーフシャワー



 左右のボールの高さが違いますから、リズムも均等ではなく、タタンタタンとややずれます。頂点の高さの差は人それぞれで、小さいと衝突しやすいですが、大きいとコントロールとリズムをとることが難しくなります。ただ、差を大きめにすると(6x,4x)になり、これだとリズムをとることは簡単になります。慣れるまでは、腕を上げるスピードを変えるよりは、脚の補助を使うことで頂点の高さの違いを作るほうがよいです。
 視線は、高い頂点と低い頂点の間であればどこでもよいと思います。軌道の高いボールの方がキャッチが難しいので、高いボールは落ち始めたとき、低いボールは頂点に昇るときに位置を確認するようにするとよいかもしれません。この場合、右手で高く投げる場合には、視線はやや左に向くことになります。
 なお、左右非対称なパターンですから、左右どちらの回転も同様に練習することを薦めます。

○テニス



 一つのボールだけ少し高めに飛ばすことになりますから、それをキャッチ/スローする手も、ほかの場合よりは心もち高めにするとリズムを崩しにくいです。それでもリズムがとれない場合は、すべてのボールの軌道をやや高くして余裕を作るとよいです。高いボールは、左右どちらの手から投げたときも同じ軌道を描くように、つまり、落ちてきたのと同じ軌道で投げ返すようにすると、衝突を避けやすいです。

[54]24:マルチプレックス(2)

★要点

・ステップごとに練習。左左、右右の最小単位を練習してから、これをつなげて徐々に長くしていく。
・[54]をしっかり左右に投げ分けることが大事。スローに合わせて体を左右に動かすとよいかも。

●動画


1.ふつうに[54]24。
2.ステップごとの練習。

●導入

 [54][22]2を1段階難しくしたもので、ガットーがルーチンに入れていることで有名なパターンです。手順を覚えるまではとても複雑に感じますが、覚えてしまえば{54][22]2と比べてもそれほど難しいわけではありません。ただし、ボール同士の衝突の確率は高まるので安定感を出すには時間がかかります。5ボールのヴァリエーションに挑戦を始めたら、早い段階で練習しておきたいパターンです。

●練習方法

 [54][22]2ができることが前提ですので、できない場合はまずそちらを練習してください。

 見た目は複雑ですので、ステップを分解して理解し、とくに腕を動かす順番に気をつけることが大事です。
 動きを理解していない段階ではカスケードから移行しようとしてもうまくできないので、まず直接パターンに入るやり方を練習します。片手に3個、もう片方の手に2個ボールを持ち、3個持っているほうの手から1個だけを投げ上げます。このボールが空中にある状態が、スタート地点です。このパターンでは右右左左右右左左と、片手で2回ずつ投げるので、まずは片手ずつ、2投ごとに練習しましょう。
 動画の2つ目のパートを見てください。最初の1個のボールを右手から左手に向けて投げる場合は、次は左手の2個のボールの一方を5、もう一方を4の軌道で同時に投げ、次いで最初の右手からのボールを4の軌道で投げます。このステップが最小単位です。左右両方とも、体が自然に動くまで繰り返し練習しましょう。
 これができたら、今度は左左右右あるいは右右左左のように、2単位連続で投げる練習をします。次にどの手で投げるか、ということにしっかり注意していれば、落ちてきたボールを投げ返すのかそれとも手に収めたままにするのか、容易に判断できるはずです。2単位連続が左→右も右→左もいずれもできれば、それをつなげてさらに連続で続けられます。

 以上の手順を踏めば、投げる順番は確実に理解できるはずです。[54][22]2がすでにきれいにできていれば、この時点で[54]24もある程度は続けられるはずです。
 しかしそうでない場合は、ボール同士が衝突してしまったり、あるいは衝突を回避しようとして形が崩れてしまったりしがちです。これに関しては、[54]をどれだけうまく投げられるかにかかっています。2つのボールをしっかり左右に投げ分けることができれば、そのスペースに余裕をもって4を投げ上げることができます。ボール同士がぶつかったり形が崩れたりする場合は、とりあえずボールを2個だけ使って、[54]を左右に広く投げ分ける練習をしてみてください。
 また、補助的に体を左右に動かすのも有効です。右手から2個投げるときには同時に体重を左に、左手から2個投げるときには右にかけてみてください。こうすると、体重移動で[54]の5を投げた手とは反対側に飛ばしやすくなりますし、空間を左右に大きく使えるのでボールを投げるスペースにも余裕ができます。

●視線と意識

 視線は5カスケードと同じかそれよりやや低いくらいの位置に固定したほうがよいと思いますが、周期3のうち1つが2なので、スローにあわせて視線を左右に動かす余裕がないわけではありません。固定してやりにくく感じるなら、動かしてみてください。
 意識は、2つの4に重点をおきます。5が一番高いわけですが、これは[54]を投げるまでの「ため」の過程で位置を確認する時間が十分にあるので、それほど意識しなくてもキャッチできます。

[54][22]2:マルチプレックス

★要点

・ボールの高低差を大きくこと。
・高低差を出すには、上のボールを高く投げるよりは、下のボールを低く抑えるつもりで。

●動画



運動部の声が入っていますが、いくらかでもキャッチ音が聞こえたほうがリズムを掴むのによいので、ミュートにはしていません。
1.内側から。
2.外側から。左右差は出していません。このやり方が一番楽だと思います。

●導入

 マルチプレックスは、カスケードやファウンテンなどの通常のスローに比べるとキャッチが難しく、安定はさせにくいのですが、スローの密度が低いのでとっつきやすいです。[54][22]2は5ボールのマルチプレックスの中でも最も基本的なパターンで、さまざまな発展系のパターンに取り組むためにも、ぜひ身につけておかなくてはいけません。5カスケードよりは難度が低いので、5カスケードの練習の片手間にチャレンジしてみてはどうでしょうか。

●練習方法

 マルチプレックスのスローおよびキャッチの細かい点は、「マルチプレックス:スロー2個」および「マルチプレックス:キャッチ2個」を参照してください。

 ジャグリングのスローの基本は「内側から外側へ」で、動画でもこの投げ方のものを先に収録していますが、2つ目のパートのように外側から投げるやり方のほうが衝突の危険が少なく容易です。まずは外側から投げるやり方で習得して、それから内側からのやり方の練習を始めるのがよいです。

 スタートは、カスケードができるなら動画でやっている手順で移行できますが、カスケードを解さずに直接はじめるほうが簡単です。この場合は、3つ持っているほうの手から1つだけを投げ上げれば、それでパターンの開始状態に移ることができます。

 両手に2つずつボールを持ったところに残りの1つのボールが落ちてきたら、落ちてきたほうの手のボールを2つとも同時に投げます。このとき、1つは高めに、もう1つは低めに投げます。サイトスワップはそれぞれ5と4ですが、2つのボールの高低差がいくらかありさえすれば、細かい高さにはあまりこだわらなくても大丈夫です。
 低いほうのボールは投げた手で、高いほうのボールは反対の手でキャッチします。ですから、スローの角度も左右に分けることができることが望ましいです。ただし、腕を大きく動かしてボールを取りに行けば、ボールが2つとも左右軸の同じ位置に落ちてきても問題ありません。とくに、外側から投げるやり方の場合は、2つともまっすぐ上に投げるようにしたほうが最初はやりやすいと思います。

 このパターンはボールを上下に投げ分けることさえできれば一応の形にはなるのですが、慣れないうちは難しいと思います。高低差を出すコツは、上のボールをより高く投げようとするのではなく、下のボールをより低く抑えるように投げることです。上のボールは人差し指・中指・親指で、下のボールは薬指・小指・手の平で握るのが普通ですが、下のボールの高さを抑えるには、薬指と小指で少し強めにボールを握り、さらに投げる瞬間に上のボールで下のボールを押さえつけるようにするとうまくいきやすいです。前腕をすばやく回内(右手ならドライバーでねじを緩める向きに回す)させるとなおよいです。
 この感覚が分かりにくければ、次の練習が効果的かもしれません。片手にボールを2つ持ち、人差し指側のボールだけを高く投げ上げて、小指側のボールは握ったままにします。これを繰り返して小指側のボールを抑える感覚が分かってきたら、小指側のボールも手から離します。人差し指側のボールだけを投げていたときと同じように、小指側のボールは投げ上げてはいけません。手の平から少しだけ浮かせるくらいのつもりにします。

 先にも書いたように、このパターンは上下にしっかり投げ分けることができればとりあえず続けることはできます。その段階に達したら、ボールの左右の落下地点もコントロールしてみましょう。そのためには手首や前腕の細かい動きが必要になります。「マルチプレックス:スロー2個」の一番下の辺りを参考にしてください。

●視線と意識

 視線は5カスケードと同じあたりに向けます。スローの密度が低いので、スローのたびに視線を移動させても全く問題ありません。
 意識は、先に落ちてくる下のボールに向けて位置をまず確認して、それから上のボールに向けます。

645

★要点

・まずは単発をしっかり身につける。6を投げる腕を大きく回すこと。
・連続のときは、6だけに注目。45は無意識的に投げる。

●動画



1.645。ふだんより左右への動きを大きめにしています。6を投げる手の位置に注目。
2.単発。同じく6を投げる位置に注目。
3.6を外→外の軌道で。こちらのほうが一般的かも。

●導入

 5ボールのサイトスワップとしては比較的簡単なのですが、動きを覚えるまでが面倒なためか、あまりやっている人を見かけません。けれどもいったん投げ方を覚えてしまえば、744や(6x,4)(4,6x)などのポピュラーなパターンより容易に安定させることができます。
 また、他のパターンとのつなぎとして便利で、とくにハイアップ系のパターンから移行する場合は、ハイアップからカスケードに移行する場合より簡単なこともあります。たとえば、9444455555...という動きよりは、94444645645...あるいは944446455555...のほうが成功させやすいです。細かい説明は省略しますが、645ではボールが左右に完全に分かれる瞬間があるので、ハイアップしたボールのキャッチ時に他のボールをぶつけにくいことが大きいです。また、同様の理由で、軌道が崩れたときの建て直しにも使えます。5ボールで落とさない粘り強い投げ方を身につけたいなら、ぜひ身につけておくべきパターンです。
 なお、すべて基本スローで投げるやり方のほかに、6だけ外→外の軌道で投げるやり方もポピュラーです。というより、むしろ後者のやり方のほうがふつうなのかもしれません。難度はいずれも大して変わりません。以下では前者のやり方の場合を解説しますが、後者の場合も同じステップで習得できるはずです。

●練習方法

 このパターンは3つの異なるスローを使い分けねばならないので、少々ややこしく覚えるのが大変です。まずは、単発から練習しましょう。動画の二つ目のパートを見てください。単発だと555556455555...となるので、実質的には64という周期2のパターンをはさむのと同じことです。これを左右いずれからもできるようにします。
 ポイントは、6をしっかり内側まで手を回してから投げることです。5と同じ位置から投げていたのでは、かなりの確率で他のボールと衝突してしまいます。体の正面あたりから投げるよう意識するとよいかもしれません。この投げ方はハイアップなどにも通じるところがあります。右手から投げるときは左足に、左手から投げるときは右足にいったん重心を移し、ボールを手から離しつつ重心を戻すようにすると、衝突回避がより容易になりますし、脚の力で投げることができるので、投げ上げるのが楽にもなります。
 まずは6をしっかり投げられるようにすることが必要ですが、それができるようになったら、今度は4の高さに注意を向けましょう。リズムが崩れる場合は、4が高すぎる可能性があります。6の高さのコントロールは比較的容易ですが、4は惰性で5の高さ近くまで投げてしまいがちです。6が投げられるようになったら、6と4をセットにするつもりで、タタンと投げてみましょう。とは言ってもリズムを変えるわけではなく、あくまで意識の中でこの2スローだけを独立に捉えるのです。6を投げてから4の投げ方を考えていたのでは思考が間にあいませんが、二つを同時に考えることで4にも充分に注意を向けられるようになるはずです。
 この単発を、独立した2つのスローとしてではなく、一連の動きとして自然に体が動くくらいまで、反復練習することが大事です。

 単発が左右ともできるようになれば、もう7合目あたりまで来たと思ってよいです。あとは単発をつなぎ合わせるだけです。まずは2セット、ついで4セット、6セットというように、徐々に周期を長くしていきます。
 とはいっても、このプロセスにも難しいところがいくつかあります。まず、単発では実質的な周期は2でしたが、連続では周期は3です。この周期に慣れねばなりません。1、2、3、1、2、3のリズムで投げるわけですが、この3投それぞれをいちいち考えつつ投げることはほとんど不可能です。1セットを一連の動きで投げられることが必要で、だからこそ単発の練習が重要なのです。
 実際には、1、2、3の1のタイミングで6を投げ、あとの2、3の45はほとんど無意識的に投げます。考えるのは3投のうち1投だけで、そうでなければふつうは思考が追いつきません。逆に、2、3が考えねば投げられないなら、もっと単発での練習を繰り返さねばならないかもしれません。ただし、単発ではしっかりできるけれど連続だと考えなければならないという場合は、まだ連続の動きに慣れていないだけかもしれませんので、連続の練習を繰り返していればすぐに投げ方を理解できるかもしれません。

 もう一つの困難は、ボールの衝突です。単発ならば形が少しくらい崩れてもカスケード時に修正できますが、連続ではそうはいかないので、次第に形が悪くなってボール同士が衝突してしまいます。
 けれども、このパターンで衝突する可能性があるのは、投げ上げた直後の6だけです。ですから、6さえしっかり投げることができれば、衝突することはほとんどありません。このときのコツは、6を投げる手を、単発のときよりもさらに大きく回すことです。動画を見ていただければわかると思いますが、このように体の中心よりもさらに奥まで手を回し、さらに体の重心を左右に動かしつつ投げれば、ボール同士の間隔にかなり余裕をもつことができます。ただし、1セット目だけは、6をあまり大きく回すとかえって衝突の危険が増すので、単発と同様に体の中心あたりにとどめておくほうがよいです。

●視線と意識

 視線は5カスケードとほとんど同じ位置でよいです。6に合わせて視線も動かしたくなりますが、できれば動かさないほうがよいです。
 意識はほとんど6だけに向けます。4と5は無意識的に投げられなければ、連続で投げることは難しいです。

(6x,4)(4,6x)

★要点

・6xは3イン1ハンドと同じ高さ、4は2イン1ハンドよりやや低めに。
・視線は、4が視界の下方に収まるくらいの高さに向け、上下には動かさない。
・4を低く投げることが大事。投げるというよりも、少し浮かすだけといった感覚。

●動画



●導入

 5ボールのシンクロのパターンとしては最も簡単なパターンで、またその他のシンクロのパターンへの発展のための土台となる技でもあります。これができるようになれば、たとえば(6x,4x)のリズムでのハーフシャワーや(6,4x)(4x,6)なども、軌道の高さが同じですから、難なく習得できるはずです。
 このパターンで最も難しいのは上下に正しい高さに投げ分けることで、それさえできれば全体ができたも同然なのですが、左右両手を同時に動かさねばならないため、なかなか容易ではありません。左右同時に、しかし独立して動かすという、このことを中心に解説していきます。

●視線と意識

 ふつうならばあまり高さのないパターンでは視線は固定するべきですが、このパターンではボールが二つずつ左右交互に上がってきますから、そのつど左右を交互に見てもとくに問題なくつづけられます。ただし、他のパターンへの発展を考えると、やはり視線は動かさないほうが望ましいです。
 視線は、6xの頂点付近に向けます。4は軌道の頂点さえ視界に入っていれば、きちんと位置を把握できます。投げている間に視線を上下に動かすことは、絶対に避けるべきです。
 意識も6xの頂点付近に向けておけばよいです。4は、ある程度の精度で投げることができていれば、ほとんど無意識的にキャッチすることができるはずですので、はじめからできる限り注意を向けないように心がけつつ練習するほうがよいと思います。
 
●ミスの原因

 このパターンでは、ボール同士がぶつかることはあまりないと思います。それ以上に多いミスの原因は、リズムが崩れて腕の動きがボールの動きに追いつけなくなることです。リズムを崩さないためには、6xと4をそれぞれ正しい高さに投げ分けることが必要です。この点について重点的に述べていきます。
 6xの高さと4の高さですが、これらは3イン1ハンドおよび2イン1ハンドでの軌道の高さとは、少なくともどちらかは異なっているはずです。というのも、ふつう3イン1ハンドのリズムの方が2イン1ハンドのリズムよりも速いはずだからです。
 したがって、もし6xの高さを3イン1ハンドに合わせるのでしたら、4は2イン1ハンドのときより低めに投げなければいけませんし、逆に4を2イン1ハンドの高さに合わせるのでしたら、6xは3イン1ハンドのときよりも高めに投げなければいけません。軌道は低い方が安定させやすいので、どちらかというと前者の、4を低めに投げるやり方の方が簡単です。
 そこで、ここでは6xは3イン1ハンドと同じ高さに、4は2イン1ハンドよりやや低めに投げる方法を採用することにして、説明をつづけます。このとき、6xは意識を向けやすいので少し練習すればそれなりに投げることができるようになるのですが、4は6xにつられて高くなってしまいがちです。
 リズムが崩れてしまってつづかない場合は、極端すぎるくらいに4の軌道を低くしてみると、つづく高さがわかってくると思います。そのためには、4は投げるのではなく、少し浮かせるだけ、というくらいの心もちでいる方がよいです。
 まずは、脚(膝)を充分に使って勢いをつくり、腕をあまり動かさなくともボールが手から離れるようにすると、この低さを実現しやすいです。こうして理想的な高さがわかってきたら、脚を使わない投げ方も練習していけばよいです。

●練習方法

 シンクロのパターンですので、カスケードから入る練習よりは、いきなりこのパターンを投げ始めるよう練習する方がよいでしょう。2セット8スローくらいは高さが正しくなくてもできますが、もっと続けるには正しい高さをしっかり覚えることが必要です。高低差は小さくなりすぎることはあっても大きくなりすぎることはほとんどないですし、大きすぎる場合は修正していくことが容易ですので、最初はとにかく4を低く、6xを充分高く投げることが肝心です。
 これもやはり、まずは少ないキャッチ数を確実にこなせるようにして、それから徐々に長くつづけるようにしていく練習が大事です。
 まずは、1セット(4スロー)から始めましょう。このとき、必ずしもボールを5個もつ必要はありません。片手に2個ずつもっていればよいです。右手から先に高く投げるスタートと、左手から先に高く投げるスタートの、両方を偏りなく練習します。長い回数をこなす場合にはどちらから高く投げようとあまり関係ありません。けれども、「右手から高く→左手から高く」と「左手から高く→右手から高く」の両方の切り替えを練習したいので、1セットだけの場合は、両者とも同様にこなせるようにしなければいけません。
 投げ分けの高さがなかなかつかめない場合は、たとえば4シンクロファウンテン(4,4)から1つのボールだけを6で投げ、再びシンクロファウンテンにもどる練習をしてみましょう。そのときの高さの差を実現できればよいのです。あるいは、(6x,4x)やこのリズムでのハーフシャワーもあわせて練習すると、高さを覚えやすいかもしれません。
 1セットが確実にこなせるようになったら、1.5セット(6キャッチ)→2セット→2.5セット→…と、セット数を増やしていきます。形が安定してきたら、1セット刻みで増やしていってもよいと思います。5セットくらいを8割以上の確率で成功できるくらいになったら、エンデュランスに挑戦してもよいころです。
 また、アシンクロパターンとの移行も練習してみます。5カスケードからなら、たとえば555556x56xのように、片手から2連続で6xを投げれば移行できます。5カスケードに戻る場合は、たとえば(6x,4)(4,6x)(6,5s)のように投げればよいです(5sは5の高さで、投げたほうの手に帰ってくるスローを意味しています)。

●上達の目安

 このパターンは、得意な人とそうでない人の差が顕著に出る傾向があるようです。得意な人は練習を始めて数週間から1ヶ月程度でかなり形にできるようですが、そうでない人はかなり苦戦するかもしれません。
 人前で披露できるレベルになるには、早い人で1ヶ月、ふつうは3~6ヶ月くらいかかると思います。

744

★要点

・練習を始めたばかりのころは、7は高すぎるくらい、4は低すぎるくらいでちょうどよい。
・4は視界の下方で位置を確認。視線を動かしてはいけない。
・まずは1周期を確実に成功させられる練習を。

●動画





ジャグラー視点。実際には7の頂点も視界に入っています。4はちょうどこの動画のように、頂点付近だけちょこっと視界に入るくらいです。

●前提

 ・5カスケード50キャッチくらい

●導入

 5ボールのサイトスワップとしてはおそらく最もポピュラーなパターンですが、5カスケードができる人がざらにいる今日でも、744がある程度でも形になっている人はそう多くはありません。しかし、5ボールの他のサイトスワップやあるいは6、7ボールを視野にいれているのであれば、避けては通れない技です。更なるレベルアップの弾みとするため、5カスケードがある程度できるようになったら、積極的に練習していきましょう。
 このパターンの難しさは、7と4という高さもキャッチする手も異なる二つの軌道を投げ分けねばならないことにあります。このため、すべてのボールを同じような腕の動きで投げていたのでは衝突の危険が大きくなります。単発から2セットまでは、5カスケードの軌道を修正できるくらいの技術があれば案外簡単にできるようになるものですが、それ以上は744自体の動きがスムーズにできなければ難しいです。そのためにはやや特殊な腕の動きが必要になりますので、それを特に念頭において解説していこうと思います。

●視線と意識

 軌道の頂点に高低差のあるパターンですが、視線は動かすべきではありません。4の頂点が視界にきちんと収まる範囲で、できるだけ上を見るようにしましょう
 意識のおき場所としては、7の頂点付近と4の頂点の二箇所が考えられます。ぼくの場合は、意識は基本的に4の頂点に向け、7は頂点を過ぎて落下を始めるあたりで、ちらとできるだけ短時間で位置を把握するようにしています(もちろん調子がいいときは何も考えてはいないのですが)。練習の段階では、7と4のどちらをドロップしやすいかによって、意識を向ける割合を調節していくとよいでしょう。
 なお、ハイアップ系一般に広く言えることですが、投げた瞬間に大きなミスをしたと思った場合以外は、7を投げた直後には、そのボールは視線でも意識でも追いかけるべきではありません。たしかに7のほうがコントロールもキャッチも難しいですが、それを追いかけてしまうと、直後にとるべき4を落としがちだからです。7の位置を確認するのは4の落下位置を正確に見極めたあとにするべきですし、それでも十分に間に合うはずです。ボールの位置把握の順番は、キャッチする順番と同じにするのが原則です。

●ミスの原因

 ある程度続くようになるまでに一番多いミスは、ボール同士がぶつかることでしょう。それも特に、7が4に下からぶつかってしまうことが最も多いと思います。これを回避するには、当たり前のことですが、4をできるだけ外側で投げ、7をできるだけ内側から投げることが必要です。7は、手を体の中心くらいまで差し込むように動かしてから投げると、他のボールをかわしやすくなります。

 また、二つの軌道に投げ分けねばならないので、リズムをつかむのが基本パターンに比べてはるかに難しいです。はじめのうちは軌道がぐちゃぐちゃになって、ボールがいくつも一編に落ちてくることもしばしばでしょう。まずは、軌道を高めにして練習するのがよいと思います。123123…とリズムをしっかり確認しながら3拍子で投げましょう。
 はじめは7が低くなりがちで、しかも4を低くすることも難しいはずなので、2と3の間が短くなって余裕がないと思います。特に7を高めに投げて、余裕をもつとよいです。高い軌道で投げ方を覚えてしまえば、それから軌道を低くしていくことは、大して難しくはありません。また、二つの4の高さが違う、特にあとの方の4が低い人がよくいますので、はじめのうちはあとの4をやや高めに投げるつもりでちょうどよいかもしれません。

 7の軌道が前後にずれて安定しない場合は、次の二つの点に留意すると改善されるかもしれません。
 第一に、手の左右への移動を特に意識すること。右手の場合は、右側でボールをキャッチしたら、その手を直線的に下げて持ち上げるのでなく、円を描くように左下に振って、そのままの勢いで投げ上げると前後へのずれを軽減できます。
 第二に、膝をしっかり使うこと。4と7とでは投げ上げる腕の速さがかなり異なるため、4を投げたあとに7を投げるにはより大きな加速度を与えねばなりませんから、7を投げるときの腕の動きは不安定になりがちです。けれども、このとき膝を伸ばして腕の加勢をしてやれば、その分腕のスピードは遅くてよく、したがって腕のぶれを減らすことができます。ただし、安定感を高める練習をする場合は、膝は使わず腕だけで投げるようにしたほうがよいです。

 ある程度形ができているのにドロップのためにセット数が伸び悩んでいる人は、肘が伸び、腕が前に出すぎている可能性が高いです。もちろん他の技にもいえることですが、腕が前に出てしまうとキャッチの位置が目から遠くまた低くなり、したがって落下位置を見誤りやすいのです。肘が伸びないように手の位置を上げ、それと同時に軌道全体も高くし、ボールを体の真上でキャッチするくらいのつもりで投げてみましょう。そうすると、ボールの位置の把握がずっと楽になるはずです。
 
●練習方法

 まずは、それぞれのスローの理想的な高さとリズムをきちんと把握する必要があります。そのために、1周期ずつ増やしていく練習をするとよいでしょう。
 一般的な練習法では5カスケードからの744に入るところからはじめると思いますが、744は最初の1セットが一番難しいので、いきなりこの練習をするのは薦められません。まずはボールを3つだけ持って、7→4→4と3投だけ投げてみましょう。落ちてきたボールは投げ返さず、ただキャッチします。
 この3投の練習を、左右両方の手から、確実にこなせるようになるまで繰り返します。以下のポイントに一つずつ留意して、できていないようなら、すぐに修正します。

・不必要に力を込めていないか?
・腕が下がりすぎていないか?
・2つの4の高さは揃っているか?
・7と最初の4のキャッチ位置は揃っているか?
・それぞれのキャッチの時間間隔は等しいか?

 3投が確実にスロー&キャッチできるようになり、かつ上記の留意点も一通り確認できたら、今度はボールを5個もって、2周期(6投)の練習をします。これも、カスケードからではなく、ボールをすべて保持した状態から直接に投げます。
 留意すべきポイントはすでに述べたことと同じですが、さらに、右手からと左手からとで投げ方に違いがないかにも気をつける必要があります。
 2周期の精度が高まったら、その調子で周期を次第に長くしていきます。
 同時に、カスケードからの移行も練習しましょう。最初の7を、他のボールに衝突しないように投げることさえできれば、スムーズに移行できるはずです。
 以上のステップを踏めば、744を効率よく修得できると思います。ポイントを繰り返すと、まずそれぞれのボールの理想的な投げ方をしっかり把握することが大事です。それが把握できていない状態でがむしゃらに練習しても、安定感はなかなか高まりません。地味に見えるかもしれませんが、1周期ないし2周期の練習をしっかり繰り返すことが、結局は近道になります。

●上達の目安

 5カスケードやその他の5ボールの技がどの程度できるかによって大きく変わりますが、5カスケードの軌道を修正できるくらいの技術があっても、4セットを見せられるレベルになるにはどんなに早くても1箇月、普通は3~6箇月くらいはかかるのではないかと思います。5カスケードがまだあまりできない場合はなおさらです。
プロフィール

mascaret

Author:mascaret
福岡出身・東京&千葉&フランス経由、千葉在住のジャグラーです。

*経歴
JJF2014にて
 エンデュランス
  5ボールカスケード1位
  6ボールファウンテン1位
  7ボールカスケード1位
JJF2012にて
 チャンピオンシップ決勝進出(2年連続)
 エンデュランス
  5ボールカスケード1位
  6ボールファウンテン1位
  7ボールカスケード1位

*使用道具
ボール:RF Beanbag M (Rad Factor), Elite 8 M (Gballz) etc.
クラブ:PX3 SIRIUS TRAINING (Play)
リング:Absolute Circus Ring (Absolute Circus), Wind Stream Ring (Mr. Babache), SATURN (Play)

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